夢から覚めること

先日「恩寵の扉が開くまで」という本を読みまして、これはフーマンという覚者とキヨタカさんという方の対談本ですが、目次を見てちょっとびっくりしたことがありまして、これは三部作になっていますが、その中の二作目の目次を見ていたら、「夢から覚める」というものがありまして、それに少し驚きました。


何に驚いたかというと、ホームページをリニューアルしましたが、それまでのホームページと、今現在の私がやっていることと違ってきており、実態にそぐわないものとなったので新しくしまして、そのホームページのタイトルが「夢から覚める」なのです。


このタイトルを決める時には、このことは完全に記憶から失われていたのですが、どこか無意識のうちに覚えていたのかもしれませんが、この度本で見かけて「この本の中にもあったんだな」と改めて思いました。


ここで「恩寵の扉が開くまでⅡ」にある「夢から覚める」のところを一部紹介します。


「何かが現実化したらそれは素晴らしい。何も現実化しなくてもそれは素晴らしい。全ては幻想だ。夢の中で多くの物事が起こる。しかし夢から覚めると、全てが幻想であったことに気づく。あなたの存在、ビーイングの在り方が正しいかだけの問題で、思いが現実化するかの問題ではない。あなた自身が自分の在り方に正しさを感じ、自由を感じるなら、そして愛に満ちシンプルさを感じるなら、あなたの人生は流れている。あなたが王国を持とうと、ほとんど何も所有しなくても、あなたにとってはどちらでも同じだ。なぜならあなたの目的は夢から覚めることだからだ。夢の中で何が起こるかには関わらないように。わかるかな?」


このようにフーマンがキヨタカさんに語りかけています。


キヨタカさんは迷妄から目覚めていくということを目指していたんですけれども、思いの現実化ということにも関心がありまして、そのことをフーマンに話しました。


本においては「恩寵の扉が開くまで」の一作目では、フーマンもキヨタカさんに思いの現実化を進めていきなさい、ということを言っていましたが、二作目になるとそれが一転して、先ほど紹介した通り、思いが現実化しようがそんなことはどうでも良い、あなたに大切なことは夢から覚めることだ、とハッキリと強く言っていますね。


それに対してキヨタカさんは、それまでは思いの現実化を進めるようにフーマンはサジェスチョンしてくれていたのに、それを手放して夢から覚めるように言われて、その時はちょっと混乱したとのことです。


やはり私たちが普段から日常生活において色々なことがあり、自分の思いというものを現実化させたいとついつい考えてしまうものですが、それをお金や権力などを手に入れて、それを現実的に実現しようとする人もいれば、精神世界、スピリチュアルなことで思いを現実化させようとする人もいます。


しかし、それらはフーマンから言わせれば、全てが幻想、マーヤーということになります。これはフーマンだけではなく、多くの聖者方、賢者方が言われていることです。


ほとんどの人たちは現実世界において、物質や金銭、地位や名誉、権力などの幻想、夢にとらわれてしまっています。


そしてスピリチュアルの世界の人たちも、また違った形での幻想、夢にとらわれています。


例えば思いを現実化させるとか、悟りや覚醒を目指していると思っている人でも、その人なりの悟りはこうだ、覚醒はこうだといった形で夢を見ており、幻想、マーヤにとらわれているケースも少なくありません。


そのようなものを全て取っ払っていき夢から覚めること。これこそが全てであるとフーマンも言っています。


私も段々夢を見続けるのではなく、夢から覚めることに向かい始めました。


よく使われる例えですが、映画の「マトリックス」において、登場人物が現実生活を営んでいると思い込んでいるけれども、実はそれは幻想でマトリックスの中で見ていた夢であったと。


それを主人公のネオや、ネオを導くモーフィアスがマトリックスから抜け出すことを目指しますが、私のやることも結局それなのだなということを、ここ数年より確信しています。


そして本に書いてあったことを、表層意識では記憶していませんでしたが、無意識下ではハッキリと根付いていて、それが新しいホームページのタイトルとして出てきたのではないかと思われます。


ユングの言い方だとシンクロニシティということになるのでしょうが、これは偶然の一致というよりは、自分の中に内在していた「夢から覚めるんだ」という思いが、新しいホームページのタイトルとして現れ出たということではないかと思います。


そしてまだまだ多くの人々が、夢を見ていたいと感じているように見えますが、もちろんそれはそれで良く、まだ準備が出来ていない人に無理矢理「今あなたは夢を見ているんだから、夢から覚めなさいよ」とするのはあまり得策ではありません。


その一方「でも何かおかしいな?今まで自分は地位や名誉、権力やお金というものを得ていたけど、これはどうも違うんじゃないか?」あるいは「思いを現実化させようとしてきたけど、何か違うな」そのように感じ始めている人達もいます。


そのような人達に、この度述べたことが伝えわればいいと思います。


無理に押し付けるのではなく、自然に伝われば良いと今は考えています。


夢を見続けたい方はその夢を楽しめば良いし、その夢から覚めようという方は、夢から覚めることをまずは目指し、あるいは覚めようとしなくても自然に目覚めていけば良いことです。


そのような流れに入っていく人が、1人でも多くいれば良いと思います。


そして夢から覚めた後も、また別の夢を見続けるのだ、という人はそれで良いですし、最終的には死によって全ての夢を強制的に手放すことになりますが、それまで夢を楽しむのも良し、夢から覚めるのも良しです。


偽りの私の状態で、「これは夢だ、あなたは夢を見ているんだ」といくら思考したとしても、その思考自体が夢であり、「今までこれが私だと思っていたものは偽りだったんだ、本当の私というものはまさにこれだ」となってくれば、これまで現実だと思っていたものが夢だったのだと、本当に気づいていきます。そしてそれができるかどうかこそがカギです。


最後になりますが、夢から覚めるのは自分自身であり、本を読むことや人に依存したり目覚めさせてもらうものでもなく、それらはあくまでも参考程度に止めることです。


このことを肝に銘じた上で、夢から覚める流れに入った方は、その流れに乗っていただければと思います。

夢から覚める

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