ヨガ及びマインドフルネスの原点


マインドフルネスは今現在かなり一般的に広がってきていますが、 ヨガはほとんどが美容や健康のためのヨガで、心身に良い 影響があるということで取り組んでいる人もいらっしゃると思いますし、そういうイメージを持たれている方も多いでしょう。


マインドフルネスはアメリカの大企業などが取り入れていて、ビジネス・仕事を進めるためにマインドフルネス瞑想が取り入れられていますね。


そしてストレスの軽減であるとか、色々と心身に良い影響があるということで、 ビジネスの場面でも、一般社会でも取り組まれている方もいます。


今回は元々のヨガやマインドフルネスとはどういったものか? 出発点は一体どこにあるのか?ということについて、ヨガとマインドフルネスは共通しており、それがあまり一般に知られていないので、こ のことについてお伝えしていきます。


ヨガというとまず先程も言ったとおり、体に非常に良いとか、美容や健康に一番ということで、ヨガ=ほとんどの人が色んなポーズをとるものだ思われているんじゃないかと。


ちょっと呼吸を整えたりすることもやったことがある方はいるかもしれないですが、 いろんなポーズを取るのはアーサナと言って、実は膨大なヨガの体型のごく一部に過ぎないのです。


本来は体や呼吸を整えて瞑想に入っていきますが、そのようなヨガにおいてアーサナは最初の段階に過ぎず、要は瞑想 にしっかりと入れるように取り組んでいくための準備段階、準備運動的なものなのです。


ところがヨガのアーサナの部分がクローズアップされて、 ヨガ=ポーズを取るアーサナというイメージが定着していると思います 。


多くの方が美容や健康ためにヨガに取り組む、アーサナを行うのはもちろんいいことですが、ヨガ=そのような美容や健康に一番といったイメージだけが蔓延しているのは、ちょっと本来のヨガに関心があって取り組んできた者としては、 別に本来のヨガだけが本物であると言うつもりはないですけれども、 知っておいていただきたいな、と思うのが正直なところです。


ヨガといっても実は多くの種類がありまして、 アーサナを行うのはハタヨーガがあり、 その大元となるのがラージャヨーガ、王のヨーガと言われていますが、このラージャヨーガの根本的な経典にヨーガ・スートラがあり、それにヨガの段階というのがあると記載されています。


ここではいちいち名称とか述べませんが、まずヨガを行うにあたって、これはしないようにしましょう、こういったことをしましょう、 という禁戒・勧戒といった戒律があります。


そういったものを守っていき、 それでようやくアーサナ、ポーズに取り組んでいけると。


そして呼吸法をプラーナーヤーマと言いますが、その呼吸法をしっかり行うため、そして瞑想も安定して行えるようになるために、アーサナで心身を浄化していき、長く座って呼吸を整えて瞑想に入っていき感覚、 五感の制御と為されていき、より深い瞑想状態に入って、最終的にはサマーディという瞑想の究極状態というところに至ってていくと。


こういった段階を踏んでいくのがラージャヨーガです。


これでいくとアーサナは、ヨガの段階の最初に過ぎないのです。


今日本で行われているヨガスタジオとか ヨーガ教室で、ほとんどアーサナがメインで呼吸法プラーナーヤーマや瞑想まで行なっているところがほとんどない。


私は実際にいくつか行ってみたことありますが、アーサナばっかりでして、ほとんどクラスで瞑想はなかったです。


少しだけやるところもありましたが、それがメインではなかったです。


しかし本来ヨガのメインは呼吸法や瞑想メディテーションなので、アーサナだけで終わらせてしまうのは非常にもったいなく、ヨガには 多くのポーズ・アーサナがありますが、呼吸法 ・プラーナーヤーマも非常に多くのものがあり、私もいくつか実践してとても効果的だなと感じていますけれども、 そういった呼吸法・プラーナーヤーマも行い、さらに瞑想も行っていただければなと思います。


このハタヨーガやラージャヨーガは、アーサナとか瞑想を行っていくものですが、それ以外にもいろいろなヨガがあります。


エネルギーをに用いるクンダリニー・ヨーガや、哲学的思索的なジュニアーナ・ヨーガとか。


あと神々への献身・奉仕というものを行っていくバクティ・ヨーガや、日々の行為というものを意識を向けていくカルマ・ヨーガなど、 これらのヨガというのは本来悟りとか解脱に至るためのものとして、インドで発展していったものです。


今ヨガという言葉を聞いて、そのような印象を抱く人はほとんどいないでしょう。


ヨガスタジオなどでヨーガの実践している人は主に体の為とか美容のためとか、せいぜい心を少し落ち着かせるためとか、そういったことであって解脱・悟りとか何ですかそれは?という感じだと思いますが、ヨガというものが本来の形とは違う形で、今広まっているという事実があります。


そして以前 amazon プライム ビデオでヨガについてのドキュメンタリーを観ましたが、 アイアンガヨガという日本でも翻訳本がありましたが、やはりアーサナ中心としたヨガでインドでも大いに広がっていて、なぜそのアーサナ が中心になって、まずインドで広まってそれから世界に広まっていったかというの分かったんですが、そのドキュメンタリーによるとアイアンガさんは、軍隊にヨガを定着させるということで、 軍隊においては肉体をいかに強健にするかということが非常に大事なポイントになってくる。


最近では軍人が戦争行っていろいろと精神的に打撃を受けて、そのためセラピーや瞑想とか取り入れられていますが、 軍隊ではまず体が資本ですから、肉体をいかに強健にしていくかということで、アーサナを広めていったらしいです。


それでこれはいいものだということで定着していき、インドでも肉体中心のヨーガというものが広まり、それが世界に広がっていったという内容のものを見まして、ああそういうことかと、インドでもやはり体が中心のヨガが広まっていき、それが世界に伝わったのだと。


これが全てではないと思いますが、そういった側面があるということですね。


インドでも宗教的な意味でのヨガとか、瞑想を中心としたヨガであるとか、悟りを目指すものとしてのヨガとか、そういったものがメインになっているわけではないということです。


これはどうしても仕方がないことだと思います。


現代人は自分の内面をしっかりと見つめるということよりも、やはり体の健康であるとか、体をいかに美しく保つとかそういうことに関心を持つ人が多いので、ヨガを広めるとかビジネス展開としてやっていくならば、どうしてもそうなってしまうと思います。


それが一概にダメだとは言えませんが、本来の ヨーガというものに興味を持つ方がいたら 、是非そういったヨガに取り組んでいただけたらなと思います。


その一方でマインドフルネスがここ数年非常に流行しています 。


マインドフルネス瞑想で検索すると、いろいろな所でマインドフルネス瞑想を行っています。


マインドフルネススタジオとか、教室などありますし 、マインドフルネスに関しての書籍も多数出版されています。


ではマインドフルネスとはそもそもなんぞや?と いうことですが、いくつかサイトを見てみると 、マインドフルネスに関しての説明で、今ここに意識を向けて、過去や未来に思いを巡らすことなく、今ここに集中している、判断もなく全て受け容れている状態、それがマインドフルネスだという説明があります。


そのマインドフルネスの状態に至る為にマインドフルネス瞑想という手段があり、こういった瞑想のやり方で、その意識の状態が少しずつ広がっていくことは喜ばしいことですが、ビジネスに使われたりとか、単純に心身の状態を保つ、健康状態を保つということだけなら、本来のマインドフルネスとは違ってきます。


もちろん出発点がそもそも何なのか?ということになりますが、このマインドフルネス瞑想、大元は仏教なんですね。


仏教に八正道というのがあり、8つの段階がありますが、その7番目に正念、パーリ語でサンマ・サティというのがあります。


念というのは念仏の念と書きますが、パーリ語のサンマ・サティというのが正しい気づきです。


そのサンマサティを訳した時に 、日本語訳だと正念、正しい念となっていますが、それが英訳の時にマインドフルネスとなりました。


正しく気づいているということであり、ですから大元は仏教です。


この八正道というのはまず正しく見て、行動や言葉、意識、これらの状態を統御していき、それから生活を正し、正しい行為をし、正しい瞑想をしてサマディに入っていくと。


そして正しい気づきがサマディに入るために非常に重要で、瞑想していくためにも根本になるということで、やはり仏教が大元で、解脱・悟りが根本にあり、そこがやはり出発点となります。


これはサイトとか見ても、元は仏教ですが宗教色を排して、ということがよく書かれています。


ただこの宗教色を廃したことによって、マインドフルネスが広まり、マインドフルネス瞑想に取り組む方が増えてきたことは間違いないでしょうが、それでもやはり大元は宗教的要素がありましたが、それらを排除していき、ヨガやマインドフルネスが世の中に大きく広がり、定着してきて実践する方も増えてきていると。


これが宗教色が付随していると、最初から拒絶してしまう人もいるでしょうから、これもいわば戦略としては良かったですが 、やはり根本的なものが失われてしまっているかなと、ヨーガとかマインドフルネスの上澄み、綺麗な部分だけをとり上げて、これがマインドフルネスです、実践者にとってすばらしい効果と打ち出されていますが 、本来ヨガとかマインドフルネスは、何々の効果ありますというものではないです。


マインドフルネスはただそれそのものであり、何かをくっつけて何かを得ようとするものではないです。


むしろどんどん落としていくというのが、本来のヨガであり、マインドフルネスです。


それが失われてしまうと、私としてはそれはどうなのかな?と思いまして、これに関しては今のヨガやマインドフルネスは西洋的な考えに毒されて、何かを得ようとばかり しており、本来そういったものを落としていくものなのに 、ゆがんだ形で伝わってしまって非常に良くない、と強く主張している人もいて、私はそういったことで取り組む人がいてもいいと思いますが 、どんどん本質がこのまま失われていってしまうのはまずいなぁ、とは思います。


ですからこういったことを話して、伝わる人には伝わっていけば良いと思いますが、どうしても年月が経ってくると、本質的なものが失われて上辺だけが伝っていくということがあり、本質的なものが伝っていきながらも、上辺だけ実践する人はそれはそれで良いですし、本質的なものを学んで実践したいという方はそうしていけばいいと思います 。


一部だけとか上辺だけ伝わるということではなくて、本来のヨガやマインドフルネスの在り方というものがあり、それが失われることなく伝承されていけば良いと思い ます 。


私は原理主義的な考えは好きではなく、 今のヨガやマインドフルネスは間違ってる、本来のヨガはこういうものであり、マインドフルネスの大元は仏教である、その精神を忘れてはいけない、それをしなければヨガやマインドフルネスではない、という所まで行ってしまうと、これは極端な見解だなと思いますので、そういうことはなく本質をしっかり伝えつつ、その人に応じてちょっとポップな部分をやる方がいてもよし、本質的なところをやる方がいても良いと私は考えます。


繰り返しますが、大元のところは失われることはないように していかなければならないとは思い、興味のある方はマインドフルネスの原点であるとか、ヨガの 原点というものに対して触れていただければ嬉しいです。

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